生活防衛費はいくら必要?まず取り組むべき家計の見直しと貯め方を解説

お金・家計

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「急に仕事を辞めることになったら、今の貯金で何か月生活できるだろう」

「病気やケガで収入が減ったとき、生活費を払えるか不安」

このような万が一の事態に備えるお金が、生活防衛費です。

生活防衛費は、一律に「100万円あれば安心」と決められるものではありません。家賃や家族構成、働き方によって、必要な金額は変わります。

この記事では、生活防衛費の目安、計算方法、家計を見直す順番、無理なく貯める方法を初心者向けに解説します。

  1. この記事の結論
  2. この記事でわかること
  3. 生活防衛費とは
  4. 生活防衛費はいくら必要?
  5. 生活防衛費の計算方法
    1. 生活防衛費に含める支出
    2. 原則として含めない支出
    3. 計算例
  6. 世帯別の生活防衛費の目安
    1. 一人暮らしの場合
    2. 共働き夫婦の場合
    3. 子育て世帯の場合
    4. 個人事業主・フリーランスの場合
  7. まず取り組むべき家計の見直し
    1. 1.使っていないサブスクを解約する
    2. 2.スマートフォンとインターネット料金を見直す
    3. 3.保険の保障内容を確認する
    4. 4.住居費を確認する
    5. 5.自動車関連費を確認する
  8. 生活防衛費を無理なく貯める方法
    1. ステップ1.まず10万円を目指す
    2. ステップ2.生活費1か月分を貯める
    3. ステップ3.生活費3か月分を貯める
    4. ステップ4.必要に応じて6〜12か月分まで増やす
  9. 先取り貯金を利用する
  10. 生活防衛費はどこに置く?
  11. 生活防衛費より借金返済を優先するべき?
  12. 生活防衛費を貯めるときの注意点
    1. 投資資金と混ぜない
    2. 目標を高くしすぎない
    3. 家計を削りすぎない
    4. 目的の違う貯金と分ける
  13. 自分に合う生活防衛費の決め方
  14. 今日からできる5つのこと
  15. まとめ
  16. 生活防衛費に関するよくある質問
    1. 生活防衛費はいくらあれば安心ですか?
    2. 生活防衛費は100万円必要ですか?
    3. 独身者の生活防衛費はいくらですか?
    4. 生活防衛費と貯金の違いは何ですか?
    5. 生活防衛費はNISAで運用してもよいですか?
    6. 生活防衛費と借金返済はどちらを優先しますか?
    7. 生活防衛費はどの口座に入れるべきですか?

この記事の結論

生活防衛費は、基本的に次の計算式で考えます。

生活防衛費=1か月の最低限の生活費×3〜6か月分

会社員で収入が比較的安定している人は3〜6か月分、個人事業主や収入が変動しやすい人、扶養家族がいる人は6〜12か月分を検討するのが現実的です。

日本FP協会も、投資を始める前の備えとして、生活費の3〜6か月分程度を預貯金で確保する考え方を紹介しています。

ただし、最初から大きな金額を目指す必要はありません。

まず10万円、次に生活費1か月分、その後3か月分という順番で積み上げていきましょう。

この記事でわかること

  • 生活防衛費の意味と必要性
  • 生活防衛費の具体的な計算方法
  • 独身・夫婦・子育て世帯ごとの目安
  • 生活防衛費を作るための家計の見直し方
  • 無理なく貯めるための具体的な手順

生活防衛費とは

生活防衛費とは、失業、休業、病気、ケガ、家族の事情などによって収入が減ったときに、当面の生活を維持するためのお金です。

主に、次のような事態に備えます。

  • 退職や失業で給与が入らなくなった
  • 病気やケガで働けなくなった
  • 家電や住宅設備が突然故障した
  • 家族の介護や看病が必要になった
  • 売上や仕事量が急に減少した
  • 引っ越しなどの緊急支出が発生した

予定している旅行代、住宅購入の頭金、教育費などとは分けて管理するのが基本です。

生活防衛費は「使う目的が決まっている貯金」ではなく、「予測できない事態から暮らしを守るための予備資金」と考えるとわかりやすいでしょう。

生活防衛費はいくら必要?

生活防衛費の基本的な目安は、最低限の生活費の3〜6か月分です。

ただし、働き方や家族構成によって必要な期間を調整します。

状況目安
実家暮らしで固定費が少ない会社員生活費3か月分
一人暮らしの会社員生活費3〜6か月分
共働き夫婦生活費3〜6か月分
片働き・子育て世帯生活費6〜12か月分
契約社員・歩合給中心生活費6〜12か月分
個人事業主・フリーランス生活費6〜12か月分

これは絶対的な基準ではありません。

勤務先の安定性、失業時に受け取れる給付、配偶者の収入、医療保険、住宅ローンの有無なども考慮して決めます。

雇用保険の基本手当は、退職理由や雇用保険の加入期間などによって受給条件や日数が異なります。一般的な離職者の所定給付日数は、被保険者期間に応じて原則90〜150日ですが、退職後すぐに現在の給与と同額が受け取れる制度ではありません。

給付制度だけに頼らず、手元資金も準備しておくことが重要です。

生活防衛費の計算方法

生活防衛費は、現在の総支出ではなく、緊急時に必要な「最低限の生活費」をもとに計算します。

生活防衛費に含める支出

  • 家賃・住宅ローン
  • 食費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 通勤・移動費
  • 税金・社会保険料
  • 医療費
  • 日用品費
  • 保険料
  • 借入金の最低返済額
  • 子どもの教育に最低限必要な費用

原則として含めない支出

  • 旅行代
  • 高額な外食費
  • 趣味や娯楽費
  • 不要不急の買い物
  • 投資や積立
  • 高額な美容代
  • 臨時的なプレゼント代

たとえば、通常は月25万円使っていても、緊急時には外食や娯楽を減らし、月18万円で生活できるのであれば、18万円を基準に計算します。

計算例

最低限の生活費が月18万円の場合は、次の金額が目安です。

  • 3か月分:54万円
  • 6か月分:108万円
  • 12か月分:216万円

総務省の家計調査では、2025年の二人以上世帯の消費支出は1世帯当たり月平均31万4,001円でした。

ただし、この平均には娯楽や被服、教育など幅広い支出が含まれます。生活防衛費を計算するときは、全国平均をそのまま使うのではなく、自分の最低限の生活費を確認しましょう。

世帯別の生活防衛費の目安

ここからは、最低限の生活費を仮定した計算例を紹介します。

実際の必要額は、家賃や家族構成によって異なります。

一人暮らしの場合

最低限の生活費が月15万円の場合は、次の金額が目安です。

備える期間目標金額
3か月45万円
6か月90万円
12か月180万円

正社員で収入が安定している場合は、まず45万円を目標にし、その後90万円まで増やす方法が現実的です。

共働き夫婦の場合

最低限の生活費が月22万円の場合は、次のようになります。

備える期間目標金額
3か月66万円
6か月132万円
12か月264万円

夫婦それぞれに収入があり、片方の収入だけでも一定期間生活できる場合は、3〜6か月分から検討できます。

一方で、同じ会社や業界で働いている場合は、景気悪化によって同時に収入が減る可能性も考えておきましょう。

子育て世帯の場合

最低限の生活費が月30万円の場合は、次の金額が目安です。

備える期間目標金額
3か月90万円
6か月180万円
12か月360万円

子育て世帯は、食費や教育費、医療費などを急に減らしにくいため、可能であれば6か月分以上を検討します。

個人事業主・フリーランスの場合

最低限の生活費が月20万円の場合は、次の金額が目安です。

備える期間目標金額
6か月120万円
9か月180万円
12か月240万円

個人事業主は、会社員と比べて毎月の収入が変動しやすく、雇用保険の基本手当を前提にしにくい場合があります。

生活費だけでなく、事業を維持するために必要な家賃、通信費、システム利用料などは「事業用の予備資金」として別に準備しましょう。

まず取り組むべき家計の見直し

生活防衛費を作るために、食費や日用品を無理に削り続ける必要はありません。

最初に見直したいのは、毎月自動的に引き落とされる固定費です。

J-FLECの家計管理教材でも、住居費、通信費、サブスクリプションなどの固定費は、一度見直すと継続的な支出削減につながると説明されています。

1.使っていないサブスクを解約する

動画、音楽、アプリ、オンラインサービスなどを確認します。

1件あたりの金額が小さくても、複数契約していると年間では大きな支出になります。

  • 直近1か月で使ったか
  • 無料サービスで代替できないか
  • 同じ機能のサービスを重複契約していないか

この3点を確認しましょう。

2.スマートフォンとインターネット料金を見直す

通信費は、契約先や料金プランを変更することで毎月の負担を下げられる可能性があります。

ただし、料金だけでなく、通信エリア、データ容量、通話時間、サポート体制も確認してください。

3.保険の保障内容を確認する

保険は、単純に解約すればよいわけではありません。

  • 同じ保障が重複していないか
  • 現在の家族構成に合っているか
  • 必要以上に大きな保障になっていないか
  • 公的保障でカバーされる範囲はどこまでか

内容がわからない場合は、契約先や専門家に確認しましょう。

4.住居費を確認する

住居費は家計に占める割合が大きいため、改善できれば効果も大きくなります。

ただし、引っ越しには初期費用がかかります。家賃だけで判断せず、更新料、通勤費、引っ越し費用を含めて検討することが大切です。

5.自動車関連費を確認する

自動車には、車両代以外にも次の費用がかかります。

  • 駐車場代
  • ガソリン代
  • 自動車保険
  • 自動車税
  • 車検代
  • 修理・メンテナンス費

生活に欠かせない地域もあるため、無理に手放す必要はありません。利用頻度と年間維持費を把握するところから始めましょう。

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生活防衛費を無理なく貯める方法

生活防衛費は、最初から100万円を目標にすると途中で挫折しやすくなります。

段階を分けて準備するのがポイントです。

ステップ1.まず10万円を目指す

家電の故障、急な通院、冠婚葬祭などの小さな緊急支出に対応するため、最初は10万円を目標にします。

貯金がほとんどない状態では、10万円でも大きな安心材料になります。

ステップ2.生活費1か月分を貯める

次に、最低限の生活費1か月分を準備します。

月15万円必要な人なら、10万円の次は15万円が目標です。

ステップ3.生活費3か月分を貯める

生活費1か月分を確保できたら、3か月分まで増やします。

ここまで貯まると、急な収入減少が起きても、すぐに借り入れに頼らず対応しやすくなります。

ステップ4.必要に応じて6〜12か月分まで増やす

働き方や家族構成に合わせて、6か月分以上を目指します。

すべてを短期間で貯める必要はありません。1〜3年程度の計画に分けても問題ありません。

先取り貯金を利用する

生活費が余ったら貯金する方法では、お金が残らない月が続きやすくなります。

給料日に、決めた金額を別口座へ自動的に移す方法がおすすめです。

たとえば毎月2万円を積み立てると、ボーナスを含めなくても次の金額になります。

  • 1年間:24万円
  • 2年間:48万円
  • 3年間:72万円

毎月の積立が難しい場合は、5,000円や1万円から始めても構いません。

継続できる金額を設定することが大切です。

生活防衛費はどこに置く?

生活防衛費は、必要になったときにすぐ使えることが重要です。

基本的には、次のような場所で管理します。

  • 普通預金
  • 貯蓄用の銀行口座
  • すぐに引き出せる定期預金

株式、投資信託、暗号資産などは、必要なタイミングで価格が下がっている可能性があります。

生活防衛費と投資資金は分け、当面使う予定のない余裕資金で投資を行うのが基本です。

また、利息の付く普通預金や定期預金などは、1人当たり1金融機関につき元本1,000万円までと破綻日までの利息等が預金保険制度で保護されます。

生活防衛費専用の口座を作り、普段の生活費口座とは分けて管理すると、使い込みを防ぎやすくなります。

生活防衛費より借金返済を優先するべき?

カードローンやリボ払いなどの返済がある場合は、金利と返済条件によって優先順位が変わります。

貯金をすべて返済に回すと、急な支出が発生したときに再び借り入れが必要になる可能性があります。

まずは小さな予備資金を残しながら、次の項目を整理してください。

  • 借入残高
  • 適用金利
  • 毎月の返済額
  • 返済終了予定
  • 繰り上げ返済の条件

返済が難しい状態になっている場合は、新たな借り入れで対応せず、早めに公的・中立的な相談窓口へ相談しましょう。

日本貸金業協会では、収入と支出を入力して家計を確認できる家計バランスシートや相談窓口を提供しています。

生活防衛費を貯めるときの注意点

投資資金と混ぜない

NISAや投資信託は長期的な資産形成に利用できますが、元本が保証されているわけではありません。

急に必要になる生活防衛費は預貯金で持ち、投資資金とは分けて管理しましょう。

目標を高くしすぎない

「300万円貯まるまで安心できない」と考えると、日々の生活が苦しくなる可能性があります。

まずは10万円、次に1か月分、3か月分と段階を分けてください。

家計を削りすぎない

食費、医療費、健康維持に必要な支出まで大きく削ると、生活の質が落ちて継続できなくなります。

固定費や利用していないサービスから見直すことが大切です。

目的の違う貯金と分ける

生活防衛費は、旅行、車検、税金、教育費などの予定支出とは分けます。

口座や管理項目を分けると、実際に使える生活防衛費がわかりやすくなります。

自分に合う生活防衛費の決め方

次の項目に当てはまる数が多い人は、生活費6〜12か月分を検討しましょう。

  • 毎月の収入に変動がある
  • 個人事業主やフリーランスである
  • 歩合給の割合が大きい
  • 配偶者や子どもを扶養している
  • 住宅ローンや家賃の負担が大きい
  • 転職まで時間がかかる専門職である
  • 持病や健康上の不安がある
  • 両親への仕送りや介護負担がある
  • 近いうちに転職や独立を予定している

反対に、実家暮らしで固定費が少なく、収入が安定し、家族からの支援も受けられる場合は、まず3か月分から始めてもよいでしょう。

家計状況によって合う選択肢は変わります。

今日からできる5つのこと

  1. 直近3か月の銀行口座とクレジットカード明細を見る
  2. 最低限必要な生活費を計算する
  3. 生活費3か月分の目標金額を出す
  4. 使っていないサブスクを1つ解約する
  5. 貯金専用口座への自動振替を設定する

一度に家計を完璧に整える必要はありません。

まずは支出を把握し、毎月少しずつ生活防衛費を積み上げていきましょう。

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まとめ

生活防衛費の基本的な目安は、最低限の生活費の3〜6か月分です。

ただし、収入が不安定な人、個人事業主、子育て世帯、片働き世帯などは、6〜12か月分を検討します。

大切なのは、他人の貯金額ではなく、自分の最低限の生活費を基準に計算することです。

最初から大きな金額を目指す必要はありません。

  • まず10万円
  • 次に生活費1か月分
  • その後3か月分
  • 必要に応じて6〜12か月分

この順番で、無理なく準備を進めましょう。

自分だけでは家計の整理が難しい場合は、FPや中立的な相談窓口を利用するのも選択肢の一つです。J-FLECでは、家計管理や生活設計などを相談できる無料体験を提供しています。

生活防衛費に関するよくある質問

生活防衛費はいくらあれば安心ですか?

最低限の生活費の3〜6か月分が基本的な目安です。個人事業主、収入が不安定な人、扶養家族がいる人は6〜12か月分を検討します。

生活防衛費は100万円必要ですか?

必ず100万円必要とは限りません。最低限の生活費が月15万円なら、3か月分は45万円、6か月分は90万円です。自分の生活費から計算しましょう。

独身者の生活防衛費はいくらですか?

一人暮らしで最低限の生活費が月15万円の場合、45万〜90万円が一つの目安です。実家暮らしか、一人暮らしかによっても変わります。

生活防衛費と貯金の違いは何ですか?

生活防衛費は、失業や病気など予測できない事態に備えるお金です。旅行、住宅購入、教育費など目的が決まっている貯金とは分けて管理します。

生活防衛費はNISAで運用してもよいですか?

基本的には、すぐ引き出せる預貯金で保管します。投資商品は価格が下がる可能性があるため、生活防衛費と投資資金は分けましょう。

生活防衛費と借金返済はどちらを優先しますか?

借入金の金利や返済状況によって異なります。小さな予備資金を確保したうえで、金利の高い借入れの返済を検討してください。返済が難しい場合は早めに専門窓口へ相談しましょう。

生活防衛費はどの口座に入れるべきですか?

普段使う口座とは別の普通預金口座がおすすめです。すぐ引き出せることと、日常的に使い込まないことの両方を重視しましょう。