ホワイトニングの主な種類
・セルフホワイトニング
ホワイトニング用歯磨き粉や歯の消しゴム などを用いる方法です。あるいは ホワイトニングサロンで自分で行う方法も、セルフホワイトニングに含まれます。このようなセルフホワイトニングは、歯そのものを漂白する作用は持ちません。 歯に付着した汚れを除去し、歯本来の白さに近づける目的で行うホワイトニング方法です。そのため歯を漂白する作用を持つ薬剤を使用するオフィスホワイトニングやホームホワイトニングと比較すると、リーズナブルに行える特徴があります。
・オフィスホワイトニング
歯科クリニックで、漂白作用を持つ薬剤(主に過酸化水素を含むもの)を用いて歯を白くする方法 です。ホワイトニング薬剤を歯に塗布し、特殊な光を照射するなどして漂白作用を高めます。
歯科クリニックで施術を受ける方法のため、医療機関でのみ取り扱える、即効性のある薬剤を使用できるのが特徴です。
・ホームホワイトニング
歯を漂白する作用を持つ薬剤をクリニックで処方してもらい、薬剤を注入したマウスピースを自宅で装着し、歯を白くする方法 です。主に過酸化尿素が配合された薬剤を使用します。オフィスホワイトニングと比較すると、漂白作用がおだやかな薬剤を使用します。その分即効性は劣りますが、徐々に歯を白くしていくため、色戻りがしにくい特徴があります。
・デュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせたホワイトニング方法 です。オフィスホワイトニングの即効性とホームホワイトニングの持続性、双方のメリットを併せ持ちます。芸能人レベルの歯の白さを目指せるホワイトニング方法ですが、その分コストも大きくかかる特徴があります。
ホワイトニングのリスクと注意点
白い歯は清潔感があり第一印象を変えることができるため、ホワイトニングをはじめる方は多くいらっしゃいます。ですが、すべての方がホワイトニングできる訳ではなく、注意すべき点も多くあるのでホワイトニングの注意点について解説します。
ホワイトニングは歯の内部の色素を分解し、歯を白くさせる治療です。歯の色は本来白色ですが、歯の内部の色素が白色以外に着色されているので、白く見えないだけです。ホワイトニング剤を歯の内部に浸透させることで、化学反応で歯の色素を分解して、歯を白くする仕組みがホワイトニングです。
したがって、歯の治療として施している人工的な詰め物や、被せ物は白くなりません。さらにホワイトニング治療には個人差があり、すべての方が必ず同じように白い歯になるとは限らないです。抗生物質による変色や神経がない歯、金属による変色など、さまざまな原因にてホワイトニングの効果が見込めないこともあります。
また、せっかくホワイトニングで白い歯になっても、再着色や再石灰化によって後戻りするケースもあります。さらに、一時的にですがホワイトニングによって、知覚過敏、歯肉の熱感、粘膜の潰瘍、歯の痛みなどを生じることもあるので、このことはしっかり把握しておきましょう。
すでに知覚過敏の傾向にある方は、ホワイトニングを行なうことで悪化することもあるので要注意です。ホワイトニング治療後は、食事にも気を付ける必要があります。着色性の高い色の濃い食べ物は避けなければなりません。
普段の既往症にて服用している薬も、発疹や掻痒感、口腔周囲の粘膜の腫れや痛みを伴うこともあるので、注意が必要です。このようにホワイトニングは「よしやろう!」と意気込んでも、すぐにはじめられるものではありません。確実に安全に白い歯を手に入れるなら、専門のクリニックに相談してホワイトニングをはじめましょう。
ホワイトニング後のケアと持続方法
・ホワイトニング後のケア
ホワイトニング直後は、非常に再着色しやすい状態になっています。ペリクルの再生には12~24時間かかるため、この間は、色の濃い飲食物の摂取や喫煙をなるべく避けてください。着色性が強いものを口にする場合は、その後に歯磨きを行いましょう。それが難しい状況であれば、マウスウォッシュや水で口をすすぐだけでもOKです。
●おすすめの飲食物
ご飯、パン、じゃがいも、ヨーグルト、ホワイトチーズ、ホワイトクリーム、しらす、大根、白身魚、白味噌汁、ナッツ類、水、牛乳など。
●避けて欲しい飲食物
カレー、ラーメン、焼きそば、焼肉、ソース、トマト、かぼちゃ、ぶどう、いちご、チョコレート、コーヒー、紅茶、日本茶、烏龍茶、赤ワイン、ジュース類など。
・効果を持続させるには
●デュアルホワイトニングをする
デュアルホワイトニングは、歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、自宅でマウスピースを装着するホームホワイトニングを組み合わせた方法です。はじめにオフィスホワイトニングで一気に歯を白くしたあと、自宅でホームホワイトニングを行います。効果があらわれるのを早く感じることができ、また、ホームホワイトニングでじっくり白くしていくことにより、白さが長持ちします。
●着色しやすい飲食物をさける
食べ物や飲み物などに含まれる色素が歯の表面に付着すると、再び着色してきます。白さを持続させたい場合は、色の濃い飲食物や酸性度が高い飲食物、ポリフェノール成分はさけた方がよいです。また、タバコのヤニも着色の原因となるので十分ご注意ください。
●食べ方を工夫する
着色しやすいものを摂取したい場合は、食べ方を工夫することで再着色を予防することができます。例えば、飲み物であればストローで飲み、歯にあまり触れないようにするとよいでしょう。カレーなどの色の濃いものを食べるときは、歯の表面をコーティングしてくれる乳飲料を飲んでから食べましょう。
●ホワイトニング歯磨き粉を使用する
ホワイトニング成分の入った歯磨き粉があるので、利用すると歯の白さが長持ちします。歯磨き粉単独では、ご自身が満足いくまで白くすることはなかなか難しいですが、オフィスホワイトニングやホームホワイトニングを行った場合に補助的に利用するのがよいでしょう。
●定期的に歯科医院のクリーニングを受ける
歯科医院では歯の表面の汚れを除去するクリーニングを受けることができます。こちらはホワイトニングよりも安価で受けられることが多く、気軽に利用することができます。定期的に歯の表面のクリーニングを受けて、再着色しにくい環境にしましょう。クリーニングは、審美性を保つだけでなく、虫歯や歯周病の予防となりますので積極的に受けましょう。
食事や習慣が歯の白さに与える影響
歯が黄ばむ原因とは?
歯が黄ばむ原因は、大きく分けて3つ、外部要因・内部要因・加齢による要因が挙げられます。
人それぞれ原因が違えば、当然取るべき対策も違ってきます。まずは一つ一つの原因について見ていきましょう。
外部要因:食べ物、飲み物、たばこなど
「ステイン」という言葉をご存知でしょうか?「ステイン」とは、食物に含まれているポリフェノールなどが唾液の中のたんぱく質と結合した汚れのことです。一般的に、みなさんが想像する「黄色い汚れ」はこれにあたります。色の濃い食べ物や飲み物を摂取すると、特にステインは付着しやすくなります。このような飲食が多い場合や、アルコールの摂取などにより歯の表面が乾いていたりすると「ステイン」が増えやすい環境になります。また、たばこの「ヤニ」は、ステインよりも粘着力が高く、さらに歯を黄ばませる働きがあるので注意が必要です。
なぜ「ステイン」や「ヤニ」がただの汚れで終わらずに、歯の黄ばみの原因になるのかというと、表面に付着し留まっていたステインは、時間が経つと歯の表面を覆うエナメル質の中まで浸透してしまうからです。洋服につけたカレーや醤油のシミが、時間が経つにつれ落としにくくなるのと同じイメージだと言えば分かりやすいと思います。
内部要因:加齢による黄ばみ・抗生物質による黄ばみなど
歯の色は、歯の表面を覆うエナメル質のすぐ内側にある象牙質の色に影響されます。象牙質の色の強弱は人それぞれですが「黄色い」色をしています。歯の色に個人差があるのは、エナメル質の厚さや象牙質の色が人それぞれ異なるためです。一般的に、歳をとると歯はだんだんと黄ばんでいきます。これは、歯の表面を覆っている半透明のエナメル質が加齢とともに徐々にすり減って薄くなる半面、歯の内部の象牙質は次第に厚くなっていくということが原因です。
歯が黄ばむことの影響
歯が黄ばんでしまい、気持ちがどうしても盛り上がってこないという方もいらっしゃると思います。歯は、人間の視線が行きやすいところなので、黄ばみが人に与える印象を考えて悩んでいるという方もいらっしゃいます。
歯の黄ばみが他の人に与える印象はさまざまです。「実際の年齢よりも高く見える」「不規則な生活をしていそう」などといった印象を持つ方もいらっしゃるようです。しっかり歯を磨いているにもかかわらず、このように感じられてしまったら、悲しくて仕方がありません。反対に白い歯が他の人に与える印象はというと、おしなべてよいものです。「清潔感がある」「もてそう」「笑顔がはじけている」などなど、歯はここまで人の印象を左右するものなのかと驚かされます。
ホワイトニングの費用と節約術
●初診料やカウンセリング料
ホワイトニングをする前に、まず現在の歯の状態や色味の確認が必要です。そのため、初回の来院でいきなりホワイトニングをすることは少なく、初診料がかかることを理解しておきましょう。ホワイトニングにかかる初診料の目安は、3千円~1万円です。初診料については、保険診療の歯科医院か自費診療の専門医院かによって異なります。
初診の状態確認で虫歯が発見された場合、虫歯治療が優先されることがあります。これは、虫歯があるままホワイトニングをすると、歯がしみることや痛むことの原因になるからです。このように、ホワイトニングをしたいと思っても、お口の状態によってはすぐに施術できないことがあります。「結婚式までに白くしたい」などの希望がある場合は、期限に余裕をもって歯科医院を受診するのがよいでしょう。
●クリーニング
歯の表面に汚れがついていると、薬剤が浸透しにくくなるため、歯が白くなりにくいといえます。そのため、全体をクリーニングできれいにしてから、ホワイトニングをするのが一般的です。クリーニングにかかる料金の目安は、3千円~1万円程度です。クリーニングの料金については、保険診療の歯科医院か自費診療の専門医院かによって異なります。
●ホワイトニング
ここでは、ホワイトニングの種類ごとの特徴と料金について解説します。
<ホワイトニングの種類ごとの料金と期間>
ホワイトニング料金 | 理想的な白さになるまでに必要なホワイトニング期間 | |
---|---|---|
オフィスホワイトニング | 2~5万円(1回) | 3~5回(1~2週間ごとに施術) |
ホームホワイトニング | 2~4万円(マウスピース製作費と薬剤の合計) | 1~3か月(1日2時間) |
デュアルホワイトニング | 4~10万円 | 1~3か月 |
●コーティング
ホワイトニングの直後は着色がつきやすい状態のため、歯科医院によって歯の表面にコーティングすることがあります。コーティングの料金の目安は、5千円~1万円程度ですが、ホワイトニングの施術料金に含まれている歯科医院もありますので、事前に確認しておきましょう。
●メンテナンス
<ホワイトニング効果の持続期間とメンテナンス料金>
ホワイトニング効果の持続期間 | メンテナンスにかかる料金(1年間) | |
---|---|---|
オフィスホワイトニング | 早くて3~6か月 | 4~10万円 |
ホームホワイトニング | 6か月~1年 | 5千~2万円(薬剤の本数) |
デュアルホワイトニング | 1~2年 | 2万~4万円 |
ホワイトニングの種類によって、歯の白さを持続する期間は異なります。
オフィスホワイトニングは高濃度の薬剤を使用するため、1回の施術で歯を白くできますが、その分色戻りしやすいため、早ければ3か月程度で元の色に戻ってしまいます。そのため、オフィスホワイトニングだけで歯の白さを持続するためには、メンテナンスの料金が高くなりやすいでしょう。
ホームホワイトニングは、1回の施術時間が1~2時間と長くかかり、歯を白くするまでに時間がかかりますが、オフィスホワイトニングよりも色戻りしにくいのがメリットです。また、自宅で気軽にホワイトニングできることにくわえ、初回にマウスピースを作れば薬剤の料金しかかからないので、メンテナンスにかかる料金が最も安く済みます。
デュアルホワイトニングは、2つのホワイトニングを順番に行うため、料金は高くなりがちです。しかし、2つの方法を併用することで、短期間で歯を白くできるうえ、歯の色も戻りにくいのがメリットです。そのため、歯の白さの持続期間が1~2年もあるため、メンテナンスにかかる料金は抑えられるでしょう。
ホワイトニングの料金を安く抑える方法
●定期的に歯科医院でクリーニングを受ける
定期的に歯科医院でクリーニングを受けることで、日頃から歯の表面に着色がつくのを防げます。
そもそも歯が黄ばむ多くの原因は、歯の表面に着色汚れがつくことです。着色汚れを放置すると、どんどん歯の内部に汚れが浸透し、黄ばみがひどくなっていきます。そのため、日頃から着色を予防することで、1回のホワイトニング効果を高める効果があるでしょう。クリーニングを受けても元の歯の色よりも白くはできませんが、ホワイトニングの回数が少なく済むかもしれません。
●ホワイトニング用の歯磨き粉を使用する
ホワイトニング効果のある歯磨き粉を使用することで、これ以上歯が黄ばむのを予防できます。ふだんから着色を予防することで、1回のホワイトニング効果を高めることが期待できます。ただし、着色予防の効果はあっても、元の歯の色よりも白くする効果はないことを理解しておきましょう。
●セルフホワイトニング
できるだけ料金の安いホワイトニングがしたい場合、セルフホワイトニングを利用するのも1つの方法です。
セルフホワイトニングとは、歯科医院ではなく美容サロンで、自分で施術するホワイトニングのことです。1回5千円程度と料金が安いのがメリットですが、サロンには歯科医師や歯科衛生士など有資格者がいないため、使用する薬剤には漂白効果はありません。着色汚れを落とすという意味合いに近いので、元の歯の色よりも白くできないことを理解しておきましょう。
まとめ
ホワイトニングと一言で表現しても、色素を分解しないクリーニングや、歯本来の色を白くするオフィスホワイトニング・ホームホワイトニングなど様々なものがあります。ライフスタイルや希望する白さ・歯の状況によって使用する薬剤や方法が異なります。
ホワイトニングで効果的に歯を白くし、白さをより長持ちさせるためにも、ぜひご自分に合った方法を選んでください。